― 社長より、すべての社員へ ―
横田工業は、70年以上にわたり数々の困難を乗り越えてきました。
その土台には、現場で汗を流し、手と心で築いてきた職人たちの誇りと責任がありました。
近年、私たちは「働き方改革」や「生産性向上」といった時代の流れの中にいます。
それ自体は必要であり、避けては通れません。
しかし――私たちが本当に大切にすべきものを見失ってはならないと、私は強く感じています。
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■ 伝統的な職人魂とは
職人魂とは、技術そのものよりも「人としての在り方」を問う心の姿勢です。
• 「この仕事には、自分の名前を刻む覚悟で臨む」
• 「10年後にも恥ずかしくない仕上がりを」
• 「次の人が仕事しやすいように整える」
それは、目に見えない部分にも心を込める“気づかい” であり、
ただの作業ではなく、“人から人へ技術と想いをつなぐ行為” なのです。
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■ 働き方改革と伝統の統合
効率化は重要ですが、「何を犠牲にして効率を上げるのか」を見極めなければ、
会社の芯を失います。
• 本当の効率化とは、「現場が仕事に集中できる仕組みづくり」です。
• 職人の“こだわり”を守りながら進めてこそ、魂のこもった働き方改革です。
「あの人が来ると安心」と言われる職人が、最終的に会社の信頼を支えています。
この事実を、忘れてはなりません。
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■ かつての所長として、今の社長として
私自身、現場所長だった頃に見た景色があります。
• 真冬の寒空の下で黙々と作業する職人
• 言葉ではなく背中で教える親方
• 自分のせいでなくても現場を代表して謝りに行く姿
これは“技術”ではなく、生き様でした。
そして今、私はその背中を思い出しながら、
社長として「言葉にして未来へ残す」責任を感じています。
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■ 私たちがこれから大切にしたいこと
1. 職人魂を“精神文化”として再定義する
マニュアルには載らない“人の美しさ” を言葉と行動でつなぎます。
2. 現場の誇りを見える化する仕組みをつくる
日報や朝礼の中で、職人の丁寧な仕事や気づかいを称えましょう。
3. 「伝統」と「改革」の調和を図る
効率化を進めながらも、「技術はこうして守られている」と次代に伝えましょう。
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■ 最後に
横田工業は、「職人魂」によって育てられた会社です。
これからも、変えるべきことは変えながら、
守るべき価値は決して手放さずに歩んでいきましょう。
人が人として美しくあること
それが、私たちの強さであり、誇りです。